目の前に契約書が置かれていて、署名する前にこのページを開いた方が多いと思います。あるいは、いったん持ち帰って、いま自宅でその紙を広げているところでしょうか。
浮気を疑っている時点で、人を信じる力はかなり減っています。そのうえで、今度は探偵社の書面まで疑わなければいけない。しんどいのはそこだと思います。
ただ、この確認だけは感覚でやらなくて済みます。探偵の契約で渡される書面には、法律で「これを書け」と決められた項目があるからです。書いてあるかどうかを見るだけなので、知識がなくても照合できます。
この記事は、警視庁が公表している「探偵業ガイド」に載っている法定の記載事項を、あなたの手元の紙の欄と1対1で並べたものです。金額の目安は出しません。金額は会社と条件で変わるので、目安を覚えても署名の判断には使えないからです。
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筆者の想い(タップして開く)
これまで数多くの浮気相談を聞く中で、自分一人で調査を抱え込み心も体も疲弊してしまった方を数多く見てきました。修復したい方も、別れたい方も、判断するためには「事実」が必要です。一人で抱え込まず、まずはプロの無料相談だけでも使ってみてください。選択肢が一つでも増えれば、あなたの心は少しだけ軽くなります。あなたは悪くない。違和感を見過ごせなかったあなたの感性は、家族を守る力です。
探偵の「契約書」は1枚ではない。渡される書面は3種類ある
ここを分けないと、以降の確認がずっとかみ合いません。多くの方は「契約書」という1枚の紙を想像していますが、探偵業法が定めているのは3つの書面です。しかも、そのうち1つはあなたが探偵社に渡す側の書面です。
あなたが差し出す書面(法第7条)
探偵社は、契約を交わす前に、依頼者から「調査結果を犯罪行為や違法な差別的取扱い、その他の違法な行為のために用いない」旨を示す書面の交付を受けなければならない、と定められています。
つまり、署名を求められる紙のうち1枚は、探偵社の約束ではなくあなたの誓約です。面談の場で複数枚まとめて出されると、全部が契約書に見えてしまいますが、性質がまったく違います。ここを分かっていないと「よく分からない紙にサインさせられた」という記憶だけが残ります。
もしこの書面を求められなかった場合、それ自体が、探偵社が法の手順を踏んでいないサインになります。丁寧だから省いてくれているのではありません。
契約前に渡される書面(法第8条第1項・契約前書面)
契約を締結しようとするときに、あらかじめ交付して説明することが義務づけられている書面です。「重要事項説明書」という表題になっていることが多い紙がこれにあたります。記載事項は9項目が法定で、違反には罰則(30万円以下の罰金)が定められています。
読者の立場で言い換えると、署名する前に読むための紙です。署名と同時に渡されたなら、順番が逆になっています。
契約後に渡される書面(法第8条第2項・契約後書面)
契約を締結したときに、遅滞なく交付しなければならない書面です。記載事項は8項目。こちらは「これから何をいくらでやるか」が確定した内容になります。
前の紙が「できること・一般的な条件」、後の紙が「あなたの案件で決まったこと」だと思ってください。だから確認の意味も違います。前の紙は会社を見極めるために読み、後の紙は自分が何を買ったのかを確定させるために読みます。
ここまでを踏まえて、次から項目そのものを見ていきます。手元に紙があるなら、並べて指でなぞってください。
契約前書面の9項目|そのまま確認リストとして使う
法第8条第1項各号に並んでいる9項目です。見出しの言い回しは会社ごとに違いますが、内容としてこれが無ければ欠落です。
1〜2号|商号・住所・代表者名と、届出先の公安委員会
1号は商号または氏名と住所、法人なら代表者氏名。2号は探偵業の届出書を提出した公安委員会の名称です。
ここで見るのは、書いてあるかどうかだけではありません。広告で見た名前と、書面の商号が一致しているかを見てください。サイト上の屋号と契約主体が別会社になっているケースは実際にあります。別であること自体が違法とは限りませんが、あなたが契約する相手は書面に書かれたほうです。
住所が私書箱やレンタルオフィスの1区画になっていて、面談した場所と違う場合も、その場で聞いておくところです。
3〜4号|法令遵守と、秘密の保持
3号は、個人情報保護法その他の法令を遵守して業務を行う旨。4号は守秘義務と、取得した資料の不正・不当な利用を防止するために講じる措置です。
4号は「守秘義務があります」の一文だけで終わっている書面が珍しくありません。法が求めているのは、守るという宣言ではなく、防止のために講じる措置です。資料を扱える人の範囲、持ち出しやコピーの手続き、保管と廃棄の方法まで書かれているかを見てください。
浮気調査の資料は、配偶者と、多くの場合は勤務先や交際相手の情報まで含みます。ここが一文で済んでいる会社は、社内で決めていないから書けないという可能性があります。
5号|提供できる探偵業務の内容
この号がいちばん読み飛ばされますが、会社の実力差が出るのはここです。法が例示しているのは次の内容です。
- 収集できる情報の種類
- 実施できる調査方法
- 調査の体制(人員・車両・機材)
- 調査できる地域の範囲
- 通常見込まれる時間
- 調査結果の報告方法
とくに体制と地域です。尾行を何名で行うのか、車両を使うのか。相手が県をまたいで移動する可能性があるなら、その地域が範囲に入っているのか。「全国対応」と書いてあっても、実態が提携先への委託である場合は次の6号で分かります。
「通常見込まれる時間」も、あとで追加料金の話になったときに効いてきます。1回の張り込みが何時間を想定した設計なのかが書かれていないと、延長の判断基準がありません。
6号|委託の有無
委託するかどうか、委託する場合の相手方の情報、委託する業務の内容、そしてあなたの氏名等を委託先に通知するかどうかまでが記載事項です。
ここは浮気調査だと重みが違います。依頼していること自体を知る人間が増えるからです。最後の「氏名等の通知の有無」の欄が空白なら、必ず口頭で聞いて、書面に反映してもらってください。
なお、探偵業者は探偵業務の全部または一部を、届出をしていない者へ委託することはできません。報告書の作成や張り込みを一回限り頼む場合も同じです。委託先が「協力会社」としか書かれていないときは、探偵業の届出をしている業者かどうかを確認してください。
参考記事:優良な探偵事務所の紹介サービス「街角相談所 -探偵-」はなぜ人気なの?口コミを集めてみた!

7〜9号|対価、解除、資料の処分
7号が探偵業務の対価その他あなたが支払う金銭の概算額と支払時期。各種調査の単価、成功報酬、費用の概算額、支払いの時期・方法・期限までが対象です。8号が契約の解除に関する事項、9号が調査に関して作成・取得した資料の処分に関する事項です。
9号は見落としが多い欄です。撮った写真や動画、聞き込みのメモを、探偵社が処分するのか、するならいつ、どういう方法でか。処分しないという選択もあり得ますが、その場合は相手の会社に自分と配偶者の記録が残り続けるということです。どちらが良いかは事情によりますが、知らずに決まっている状態だけは避けたいところです。
金額そのものの妥当性は、この記事では扱いません。判断材料として相場の考え方から知りたい方は、浮気調査の費用相場を20社取材でまとめた記事のほうが役に立ちます。
契約後書面の8項目|自分が何を買ったのかを確定させる
契約を締結したあと、遅滞なく交付される書面です。法第8条第2項各号の8項目を、確認の順に並べ替えます。
この書面にも契約前書面と同じ罰則があります。交付しない、記載事項が欠けている、虚偽の記載がある場合は30万円以下の罰金です。署名だけ済ませて「あとで送ります」のまま届かない状態は、段取りの問題ではなく交付義務の問題だと思ってください。
3号|調査の内容、期間及び方法
対象者、目的とする情報の内容、調査体制、実施地域の範囲、期間、方法。そして追加料金が必要となる業務が生じた場合の、その業務の実施の有無と内容まで書くことになっています。
この最後の一文が、契約後に揉める場所をほぼ全部カバーしています。相手が遠方まで移動した、車両が必要になった、調査員を増やす必要が出た。そのときに「やるのか、やらないのか」「やるならどういう業務か」を、契約の時点で決めておく欄です。
ここが空欄のまま進むと、当日に電話がかかってきて、判断する余裕がない状態で追加を承諾することになります。埋めてもらってください。
4号|調査結果報告の方法及び期限
記載事項として挙げられているのは、調査過程で記録した動画・画像・音声等を提示するのか提供するのか、調査報告書を作成するかどうか(文書・データ・口頭のいずれで報告するか)、そして報告の期限です。
「提示」は見せること、「提供」は渡すことです。この2語の違いで、あとで手元に残るものが変わります。見せてもらっただけの映像は、話し合いの席にも弁護士のところにも持っていけません。
報告書の作成についても、法は「作成の有無」を書けと言っています。作られるのが当たり前ではないということです。何が載る書面なのかを先に知っておきたい方は、探偵の調査報告書のサンプルで中身を9項目に分けた記事を先に読んでから、この欄を見てください。
6号|対価の額、支払いの時期及び方法
成功報酬の額、調査料金の総額および明細、追加費用の有無とその金額・明細、支払いの時期と方法。これが法定の中身です。
見るべきは総額ではなく明細です。総額はどの会社の紙にも書いてあります。差が出るのは、その総額が何時間ぶんの何名で構成されているかが書かれているかどうかです。明細がなければ、同じ総額でも中身が半分ということがあり得ます。
成功報酬型の場合は、何をもって成功とするかが書いてあるかを見てください。「証拠が取れたら」では基準になりません。誰と誰が、どういう状態で写っている素材を指すのか。ここが言葉で定義されていない成功報酬は、あとから解釈が割れます。
この「成功」がどの欄に書かれ、書かれていなかったときに何と言って追記してもらうかは、探偵の成功報酬型のデメリットと「成功」の定義の確かめ方で文面まで示しています。成功報酬型の見積もりを受け取っている段階なら、署名の前にそちらも開いてください。
1・2・5・7・8号|残りの5項目
残りも一覧にしておきます。
- 1号|商号・住所・代表者氏名
- 2号|契約担当者氏名と契約年月日
- 5号|委託する場合の要件と範囲
- 7号|解除の事由・方法と解約手数料
- 8号|資料の処分の有無と時期
2号の契約担当者氏名は、地味ですが押さえてください。面談した人と、書面上の担当者が違うことがあります。調査中の連絡先が誰になるのかが、この欄で決まります。
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解除の欄は2か所ある。両方を並べて読む
解除について書かれた欄は、契約前書面の8号と、契約後書面の7号の2か所です。ここを片方だけ読む方が多いのですが、書いてある粒度が違います。
契約前書面の8号は「契約を解除できる事由」と「解除した場合の返金、違約金等」。契約後書面の7号は「解除する場合の事由及び方法」と「解約手数料等」です。つまり、前の紙で条件を知り、後の紙で自分の契約における手続きが確定するという関係です。
ひとつ条文の書き方に注意が要ります。契約前書面の8号は無条件の記載事項ですが、契約後書面の7号は「契約の解除に関する定めがあるときは、その内容」という形で定められています。契約側に解除の定めが無ければ、欄そのものが無いこともあるということです。空欄を見つけたら不備だと決めつけるより、契約前書面8号で説明された条件を契約後書面にも書き入れてもらうほうが、話が早く進みます。
読むときは、次の4点を自分の言葉に置き換えられるかで判断してください。
- どういう場合に解除できるのか
- どうやって伝えるのか(方法)
- いくら戻るのか、戻らないのか
- 調査開始後はどう変わるのか
4つめが要点です。浮気調査では、着手前と着手後で扱いが大きく変わります。「相手が出張でいなくなった」「自分の気持ちが変わった」は、依頼者側の事情でよく起きます。そのときにどうなるのかを、署名の前に一度声に出して確認しておくと、迷う時間が減ります。
頼んだあとに後悔した方がどこでつまずいたのかは、浮気調査の依頼を後悔した人の3つの型を整理した記事にまとめています。解除の欄を読む前に目を通しておくと、自分がどの型になりやすいかが分かります。
なお、署名したあとで降りたくなったときに、特定商取引法のクーリング・オフが使えるかどうかは契約の場所と経緯で変わります。判定の分かれ目は探偵の契約でクーリングオフが使える場合と使えない場合に5パターンで整理しました。
交付の方法にも決まりがある|データ送信は「交付」にならない
意外と知られていない点です。探偵業ガイドには、依頼者から受ける書面も、契約前書面も、契約後書面も、電磁的記録(データ等)ではなく書面である必要があると明記されています。
さらに「交付」とは引き渡す・手渡す等の意味であり、データを電気通信回線で送信する行為は含まれない、とも書かれています。つまり、PDFをメールで送るだけでは要件を満たしません。
オンライン面談が普通になったので、ここは実務とずれやすいところです。「あとでメールで送ります」と言われたときに、紙でも受け取れるかを聞いてください。断られる理由は本来ありません。
もうひとつ。探偵業法では個々の探偵業務の内容を明らかにして契約する必要があるため、将来発生する依頼について事前に包括契約を結ぶことはできません。「今後も使えるように枠で契約しておきましょう」という提案があったら、その場では決めないでください。
相手が探偵業者かどうかの確認方法は2024年4月から変わった
以前は「探偵業届出証明書を見せてもらう」という確認方法が広く紹介されていました。この証明書は令和6年4月1日の施行で廃止されています。ネット上にはまだ古い説明が残っているので、そのまま真似すると話が通じません。
現在は、届出をしたことを示す標識を営業所の見やすい場所に掲示し、あわせてウェブサイトに掲載することが定められています。標識にはこういった内容が入ります。
- 届出書を提出した公安委員会の名称
- 届出書の受理番号
- 届出書を提出した年月日
- 商号・名称または氏名
- 営業所の名称と所在地
- 営業所の種別
- 広告・宣伝に使う名称
最後の「広告・宣伝に使う名称」は、ここまでの確認と直結します。サイトや広告で見た名前と契約書の商号が違っていた場合、その広告名が標識に載っているかどうかで、同じ会社の別名なのか別法人なのかが見分けられます。
ただし、ウェブサイトへの掲載義務には除外があります。常時使用する従業者の数が5人以下の場合、または自社で管理するウェブサイトを持っていない場合です。サイトに標識が無い=無届、ではありません。小規模な事務所では正常な状態です。その場合は営業所の掲示と、契約前書面2号の公安委員会名を照合してください。
ちなみに、探偵と興信所は名称が違うだけで、どちらも探偵業法の対象になれば同じ届出が必要です。呼び方の違いを気にしている方は、興信所と探偵の違いを20社取材で整理した記事のほうで先に整理できます。
空欄・記載なしを見つけたときにどうするか
ここまでの項目のどれかが書かれていなかったとき、どうするか。現実的な選択は3つです。
- その場で埋めてもらう
- 持ち帰って他社と比べる
- その会社では契約しない
1でほとんどは解決します。担当者が書き慣れていないだけ、ということもあるからです。ただし、埋めてもらった内容は口頭ではなく書面に反映させてください。「大丈夫です」と言われた内容は、書面に残っていなければ後日たどれません。
その場で埋められない、あるいは説明をはぐらかされるようなら、2に移ります。急かされているときほど、持ち帰る価値があります。相手の予定が明日に迫っていて本当に急ぐ場合でも、条件を書いた同じ文面を複数社に送れば、返事は当日中に集まります。
言い出しにくいときは、断る言葉にしなくて構いません。「書面を一度持ち帰って読んでから連絡します」で足ります。理由を説明する必要はありませんし、説明すると交渉になります。連絡する日だけ自分で決めて、その場で伝えてください。
比べるときは、総額ではなく、ここまで見てきた欄の書き込み量で比べてください。契約前書面5号の体制、契約後書面3号の追加業務、同4号の提示か提供か、同7号の解除。同じ条件を投げたのに返事の粒度が違うなら、それが会社の差です。
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契約書で守れないこともある
最後に、この記事が約束しないことを書いておきます。
法定の記載事項がすべて埋まっている契約書だからといって、調査が成功することや、集まった資料が話し合いや裁判でそのまま通用することを保証するものではありません。契約書が担保するのは、あなたと探偵社のあいだの約束の範囲であって、その先の結果ではないからです。
もうひとつ。探偵業法は、探偵業務であることを理由に他の法令で禁止された行為を許すものではありません。ガイドにも、調査対象者を見張るために付近住民宅の敷地へ許可なく入れば住居侵入罪等が成立する、と書かれています。契約書に「あらゆる手段で調査する」と読める文言があれば、そこは疑ってください。
そして、調査結果が違法な行為のために用いられることを知ったときは、探偵業者は探偵業務を行ってはならないと定められています。感情が振り切れているときに「相手の職場に乗り込む」といった話を面談でしてしまうと、受けてもらえなくなることがあります。これは業者が冷たいのではなく、法の側の理由です。
探偵の契約書の確認についてよくある質問
- 契約書を持ち帰って読みたいと言っても大丈夫ですか?
-
問題ありません。契約前書面は、あらかじめ交付して説明することが義務づけられている書面です。読む時間を取ること自体が制度の前提になっています。持ち帰りを強く拒まれる場合は、その反応のほうを判断材料にしてください。
- 重要事項説明書と契約書は同じものですか?
-
別のものとして扱ってください。重要事項説明書にあたるのが契約前書面で、契約を結ぶ前に読むための紙です。契約の内容を明らかにする契約後書面は、契約を締結したあとに遅滞なく交付されます。表題の付け方は会社によって違うので、名前ではなく中身の項目で見分けるほうが確実です。
- 書面がPDFのメール送付だけでした。問題ありますか?
-
探偵業ガイドでは、各書面は電磁的記録ではなく書面である必要があり、交付とは引き渡す・手渡す等の意味で、データを電気通信回線で送信する行為は含まれないと説明されています。紙でも受け取れるか申し出てください。断られる理由は通常ありません。
- 自分が署名した「違法利用しない」という紙は何ですか?
-
探偵業法第7条に基づいて、依頼者が探偵業者へ交付する書面です。調査結果を犯罪行為や違法な差別的取扱い、その他の違法な行為に用いない旨を示すもので、探偵業者はこれを受けてから契約することになっています。あなたが約束する側の紙なので、契約書とは性質が違います。
- 調査報告書は必ず作ってもらえますか?
-
自動的に作られるとは限りません。契約後書面の記載事項には「調査報告書作成の有無」と、文書・データ・口頭のいずれで報告するかが含まれています。作成の有無が書かれる項目である以上、作らない形もあり得るということです。欄を必ず確認してください。
- 追加料金の欄はどう書いてあれば安心ですか?
-
安心という言い方はできませんが、判断はしやすくなります。契約後書面の3号では、追加料金が必要となる業務が生じた場合の実施の有無とその内容が記載事項です。どういう事態のときに何をするのかが具体的に書かれていれば、当日に電話で迫られる場面が減ります。金額だけ書いてあって条件が無い欄は、聞き直す価値があります。
- サイトに標識が見当たらない会社は危ないですか?
-
それだけでは判断できません。常時使用する従業者が5人以下の場合や、自社で管理するウェブサイトを持っていない場合は、ウェブサイトへの掲載義務から除外されます。営業所での掲示と、契約前書面に書かれた公安委員会の名称を合わせて確認するほうが確実です。
- 署名したあとでもクーリング・オフはできますか?
-
探偵業法が定めているのは、書面に解除の事由・方法・解約手数料等を記載することであって、無条件で解約できる制度そのものではありません。契約をどこでどう結んだかによっては、別の法律にもとづく制度が使えることがありますが、該当するかどうかは契約の形態によって変わります。まずは契約後書面7号の定めを読み、判断がつかなければお住まいの自治体の消費生活センターに契約書を持って相談してください。
- この契約書なら裁判で通用しますか?
-
契約書の内容から、その先の結果を保証することはできません。契約書が定めるのは、あなたと探偵社のあいだの約束の範囲です。集まった資料で何が言えるのかは事情によって変わるので、請求を考えているなら、資料を持って弁護士に相談してください。
まとめ|契約書の確認は、勘ではなく照合でできる
整理します。
- 渡される書面は3種類。1枚はあなたが出す側
- 契約前書面は9項目、契約後書面は8項目が法定
- 解除の欄は前後2か所を並べて読む
- 金額は総額でなく明細と追加条件を見る
- データ送信は交付にならない。紙で受け取る
- 届出証明書は廃止済み。標識と受理番号を見る
- 埋まっていても結果は保証されない
わたしは探偵20社に取材し、300人以上の方から浮気にまつわる話を聞いてきた立場でこの記事を書いています。その中で感じるのは、契約でつまずいた方の多くが、読めなかったのではなく、どこを読めばいいか分からないまま署名したということです。項目が決まっているとさえ知っていれば、照合はできます。
今日やることは1つで足ります。手元の書面を開いて、次の4か所に印を付けてください。空欄があれば、そこが聞くべきことです。
- 契約前書面5号|調査の体制
- 契約後書面3号|追加業務の条件
- 契約後書面4号|提示か提供か
- 契約後書面7号|解除と手数料
号の番号は書面ごとに振り直されます。前の紙の5号と後の紙の5号は別物なので、紙を取り違えないでください。
そのうえで、同じ条件を書いた文面を複数社へ送って、返ってきた書面の粒度を並べてみてください。比べた結果、今回は見送るという結論でもかまいません。署名は、読んだあとでも間に合います。
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